介護施設で働いている看護師の中には、利用者や入居者の近くで寄り添える介護職という仕事に魅力を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか？
体調不良の応急処置や投薬管理など、介護施設における看護師の役割は非常に重要なもの。
ですが、利用者一人一人の生活や気持ちに寄り添っていくのは介護士がメイン。
介護施設での看護師の役割はあくまでサポート的な存在なのです。
そもそも介護施設での看護師と介護職の役割の違いは何なのか、看護師から介護職へ転職するのはどんな違いがあるのかをお伝えしていきます。
看護師と介護職では役割や考え方が全く違う
介護施設における看護師と介護職では仕事内容の役割だけでなく、利用者や入居者に対する考え方も違ってきます。
看護師は医療的な立場から生活面よりも目の前にいる利用者の健康や治療を優先する傾向があります。
それに対し介護職は利用者が最期を迎えるその時まで自分らしく有意義に過ごせるよう生活面を優先します。
また、目の前にいる利用者のことだけでなく、利用者家族の介護負担を減らすということも考えていかなければなりません。
その考え方の違いが仕事の役割にも表れます。
介護施設での看護師とは
看護師が介護施設で行う業務としては、服薬や薬剤管理、血圧、体温、脈測定などの日頃の健康管理です。
施設内で利用者が体調を崩し、嘱託医の診察を受けるといった場合に注射や点滴、採血の補助なども行います。
看護師の資格を持っていれば介護士と同様、入浴や食事の補助など身体介助を行うことも可能ですが、多くの施設では看護師と介護職の業務はしっかりと分かれており、身体介助は基本的に介護士の業務。
そのため介護職と比べて利用者との関わりが少ないことが多いです。
看護師にはない介護職の役割
介護職は食事、排泄、入浴といった利用者の身体介助はもちろん、一緒にレクリエーションを楽しんだり、常にコミュニケーションを取ることで利用者の心に寄り添うという大きな役割があります。
老人ホームなどの入所施設では、入所者にとって介護職は心を許せる家族のような存在でなければならないのです。
家族のように見守り、入所者が最期まで自分らしく生きていくためのサポートをしていきます。
ですが、医療に関する専門知識がないため、研修を受けることで行える「喀痰吸引・経管栄養」といった一部の医療ケア以外の医療行為は行えません。
コミュニケーションをメインにしたい看護師は介護職がオススメ
看護師と介護職の一番違う点は投薬や採血といった医療行為が行えるかどうか。
介護職は看護師のような医療行為が行えませんが、看護師は介護職と全く同じ身体介助を行うことが資格の中でOKとされています。
ですが、よほど人手不足でもない限り、ほとんどの施設で看護師と介護職の業務は分けられており、介護職ほど利用者と深く関わることができません。
施設内の看護師は1～2名と少数に限られていることが多く、利用者が多ければ多いほど一人でこなさなければならない業務が多くなり、利用者一人一人とゆっくりコミュニケーションを取る余裕がない場合がほとんどです。
そのため、利用者とのコミュニケーションを大事にしたい！と思われる方には看護師より介護職の方が向いている可能性があります。
看護師→介護職への転職はデメリットの方が多い！？
もっと一人一人の気持ちに寄り添ったサポートをしたいです…。
看護師ではなく介護職として働けばよいのでしょうか？
同じ介護施設内で働いたとしても、看護師と介護職では考え方や業務内容に大きな違いがあることが分かったと思います。
もっと利用者に寄り添いたい！という熱い気持ちで転職を決めたとしても、続けることができなくては意味がありません。
看護師の資格があればすぐにでも介護職として働くことは可能ですが、そこにはデメリットがあることも把握しておく必要があります。
100万円前後の年収ダウンは避けられない！？
看護師から介護職に転職する一番のデメリットはやはり収入面ではないでしょうか。
厚生労働省が毎年発表している賃金構造基本統計調査を見てみると、介護職の年収は看護師より150～170万円ほど低いことが分かります。
看護師の資格を持っていることが考慮されたとしても、介護職の業務のみ行うとなると100万円前後の年収ダウンは避けられないと思っておいた方が良さそうです。
介護職に転職したのに医療行為も求められる
看護師の資格を持っているということで、介護職として入職したにもかかわらず医療行為を求められる場合もあります。
仕事だからと断れないでいると、年収が下がっただけで結局看護師と同じ業務をしているといったことになりかねません。
看護師業務も介護士業務も両方となってしまっては、年収だけ下がって仕事量が2倍になるだけなので何の意味もありませんし、体力的にも精神的にも続けることが難しくなってしまいます。
転職の際にしっかりと条件提示し、雇用契約内容を確認しておくことが必要です。
考え方の違いで同僚との摩擦が生まれることも
看護師と介護職の考え方に違いがあることが分かりましたが、施設によってはその違いから看護師と介護職の間でトラブルが起こったりすることもあるようです。
両方の経験を生かして間に入り、協力できるようサポートできれば良いのですが、ついついこじれて同僚との摩擦が生まれてしまう場合も。
看護師の知識を生かすことは大事ですが、介護職には介護職のやり方や考え方を優先しなければならないことが多々あります。
柔軟に対応する必要がありそうです。
まずは看護師として介護施設で働いてみよう
すでに介護施設で働いたことのある方なら、看護師と介護職の違いについてよく理解されていると思いますが、実際に介護施設内で働いたことがないという方は、看護師として一度介護施設働くことをオススメします。
介護施設における看護師は人手不足が続いており、求人数も多いため、比較的未経験でも入りやすいと言われています。
介護職としていきなり介護施設に入るのではなく、看護師として働く中で介護職の利用者に対する役割を理解し、自分に合っているかどうかを見極めてみてはいかがでしょうか。
施設によっては看護師として医療ケアを行いながら、介護士と同じようにレクリエーションなどで利用者とコミュニケーションを取れる場合も。
せっかく転職するなら自分にとって最善な働き方を見つけられるようにしましょう。
介護職への転職なら転職サイトを活用しよう！
いざ転職したいと思っても、転職活動ってかなり大変。
求人のチェックだけでなく、実際の職場の様子や職場見学、面接の日程調整まで一人で行うとなるとかなりの労力がかかります。
すでに看護師として仕事をされている場合は、なおさら大変ですよね。
そんな時は介護職専門の転職サイトを活用するのがオススメです。
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まずは看護師として介護施設で働きたい！
看護師のままでも介護職と同じように利用者とのコミュニケーションを重視している職場を探したい！
といった要望にもしっかり応えてくれます。
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